介護職の「やりがい」とは? 若竹大寿会の職員が語る本音シリーズ その③ 「自分で食べられた!」——介護職が見守った、小さな成功の瞬間
2025年5月26日
介護の仕事は決して楽ではありません。
それでも、多くの職員がこの仕事を続ける理由は、「やりがい」を感じる瞬間があるからです。
若竹大寿会では、「人を幸せにする介護」を理念に掲げ、職員が誇りをもって働ける環境を整えています。
今回は、実際の職員の声を交えて、介護職のやりがいについて考えてみます。
「自分で食べられた!」——介護職が見守った、小さな成功の瞬間
介護の仕事は、ただ手を貸すだけではなく、ご利用者様が「できること」を引き出し、尊厳を守ることにあります。
これは、あるご利用者様が「食べる力」を取り戻した、職員にとって忘れられないエピソードです。
その方は、長い間食事介助を受けていました。
食べる動作に少し不安を感じていたため、職員がスプーンを持ち、そっと口元へ運ぶのが習慣になっていました。
ある日の食事の時間。
職員が、いつもと同じように食事介助をしようとしたその時・・・
ふと、ご利用者様の手がゆっくりと動きました。
「あれ?もしかして、まだご自身で食べられるかもしれない…」
職員はそう思い、小さく問いかけました。
「今日はご自身で食べてみませんか?」
すると、ご利用者様は少し驚いたような表情を見せました。
「…できるかな?」
職員は優しくうなずきながら、スプーンをそっと手渡しました。
最初は、ゆっくりと慎重な動作でした。手が少し震え、スプーンの向きを調整するのも大変そうでした。
しかし、職員は隣で静かに見守りました。
一口目…
ご利用者様は、スプーンを口に運び、しっかりと食べることができました。
その瞬間、表情がパッと明るくなり——
「食べられた!」
まるで小さな成功を勝ち取ったかのような笑顔でした。
その日から、ご利用者様は少しずつ「自分で食べる」ことに挑戦するようになりました。
食事の時間が、介助されるものではなく、「自分の力で楽しむ時間」に変わっていったのです。
介護とは、単に支えることではなく、その方が持っている力を信じ、引き出すこと。
職員にとって、その方の尊厳を守るための支援ができたことは、何よりの誇りとなりました。
若竹大寿会では、「できること」を大切にし、ご利用者様の生きる力を支える介護を目指しています。
あなたも、誰かの「できた!」の瞬間を一緒に見守りませんか?